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「かならず、還る」⑧ [ヤマト2199外伝]

episode: 7

 甲板部員
 宮澤 ちづる

 

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 こうして一人で部屋に居ると、気分がすっと冷めていくのがわかる。

同僚たちとコスプレなどしてはしゃいでみたけれど、

そんなことで気持ちを紛らわすことなど出来ないと最初からわかっていた。

 

「メ弐号作戦」から杉山さんが還ってこなかった。

戦死したんだと頭では理解していても、

それを実感することが出来ない。

今でも航空隊の控室を覗けば

「ちづる、俺の機体はちゃんと整備してくれたか?」

といつもの笑顔がそこにあるような気がしてならない。

こんなものなのか。

自分の感情と現実に

どう折り合いをつければいいのかがわからなかった。

 

宮澤はさっきパーティ会場で撮った写真を取り出してみた。

「“今日を精いっぱい楽しむ。”それが俺たちのお守りなんだ。

もし神様がどこかで 俺たちを見ていてくれたら、

こんなに楽しそうに生きている連中を

死なせてしまうのは惜しいと思ってくれるかもしれないだろ。

航空隊のみんなは、

本気でそう信じていつも空に上がるんだ。」

そんな話をしてくれた大工原さんが写真の中で笑っていた。

 

「私も今日を精いっぱい生きよう。」

それしか出来ることはないのだから。

宮澤は立ち上がり

鏡の前で着ぐるみの耳を少し整えて薄暗い部屋から出た。

赤道祭の熱気はまだまだ続いていた。

その喧騒とまぶしい通路の照明に軽い眩暈を覚えながら、

宮澤は再びパーティー会場へと足を向けた。

 

 

 

 

【妄想コメント】

なんでコスプレ?、ちゃらい。。。悲壮感が無い。。。と本編を観て思いましたが、 この女性たちにも実はシリアスな物語があるんだと考えました。なんとなく猫耳の女性の話にしようと思っていたら、七色星団の戦い「大工原の旦那」の撃墜シーンで猫耳女子(宮澤)との写真がちらっと出てきたのでこれだ!と思って書きました。


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