「かならず、還る」⑯ [ヤマト2199外伝]
Epilogue
砂時計のような5分が経過した。
モニター画面が消えても、しばらく彼は動けなかった。
こんな情けない面を、通信室の外で
家族との交信を楽しみに待っている連中に見せるわけにはいかない。
彼はもう一度モニター画面に向かって
無理やり笑ってみた。
目の前の暗い画面には、ぎこちない笑顔が映っていた。
よし、なんとかなりそうだ。みんなには
「二人で子供の名前を考えるだけで持ち時間を使っちまったよ。」とでも
明るく言ってやることにしよう。
そして彼は力強く、静かに、席を立った。
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