「かならず、還る」⑬ [ヤマト2199外伝]
episode: 12
船務長
森 雪 一尉
森雪は5分の交信で土方司令官に伝えるべき項目をもう一度頭の中で整理してみた。
皆が赤道祭を思い思いに楽しんでいる。
しかし雪はその場に身を置きながら気持ちは晴れないでいた。
抜錨以来、雪の心にある澱のような疎外感。
「地球を救う。」
その思いはヤマトに乗り込んだ者たちとなんら変わらないはずだった。
しかし気づいてしまった。
乗組員それぞの傍らには、かけがえのない守るべき人がいる。
わずか5分の会話で皆が今繋ぎ止めようとしているもの。
それはそれぞれの希望だ。
なのに雪にはそれが無い。
あるのは心に何の拠り所も持たない任務という渇いた使命感だけだ。
赤道祭での皆の熱の中で、
今日はいっそうその孤独が胸を突く。
雪は居たたまれずに窓の外を見た。
そして所在無げに、船外作業中の彼の姿を目で追った。
【妄想コメント】
山本との仲睦まじい姿が気になって補修作業中の古代を見つめる雪。憂いのある表情のワケはそれだけではないと妄想しました。それにしても2199版の雪は謎がいっぱいのままですね。2014年の映画でそのあたりが解明されるか楽しみです。
2014-01-11 00:00
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